レインフォースメント。
なんだか格好良い名前ですが(笑)、日本語でいう補強材という意味です。
別にドラム専門用語では無く一般の英単語です。
英語ではしばしばレインフォースメントリングスと表現したりしますね。
要はドラムのシェルを補強して変形したりダメージを受けたりし難くしましょう、ということ。
写真を見てもらうと内側のトップとボトムだけ余分な木材が装飾されているのが分かると思います。
英語でリングと表現するのも納得な輪っかの形状をしております。
こんな感じでシェルのトップとボトムの内側を補強してシェルを内側から支えて変形したりしないようにする訳ですね。
このレインフォースメントですが、全てのドラムについている訳ではありません。
ちなみにグレッチの60年代のドラムはレインフォースメントが付いておりません。
このようにシェル内側には何も装飾されていないのです。このおかげで、60年代のグレッチドラムはシェルがオーバーサイズしていてヘッドがかなり入りにくい困ったスネアになっています。
逆に60年代のラディックは大抵、レインフォースメント付きとなっています。オーバーサイズも無く、今でも問題なく使えるスネアが多いです。
最近はドラムビルダーや機械の技術が向上していることや何よりもシェルが厚めになってきているため、レインフォースメントは不要ということで付いていないドラムも多いです。
レインフォースメントは補強の意味合いが強いのですがが、音にも影響を与えるという説もあります。
シェルとヘッドの接地面に輪っか状の木が装着されている訳ですから、振動を抑えて特にハイピッチ時に適度に鳴りが抑えられる、ということらしいです。
自動的にミュートの役目を果たしているということかもしれないですね。
ただ、逆にいうとヘッドの端は円状に全てレインフォースメントで覆われている訳ですから、高音の倍音が常に抑えられている状態とも考えられます。
これがドラム本来の音を損ねていると考える場合にはマイナスになるかもしれないですね。
ドラムは端っこから高音の倍音が出やすい性質になっていて通常は(特にレコーディング)それをある程度ミュートするのが一般的ではあります。
このようにレインフォースメントは必要なのか必要ではないのかは一部のドラマーの間では議論の対象となっています。
まあ、いずれにしてもレインフォースメントありのドラムもあれば無しのドラムもある訳ですから、自分の好みで選べば良いと思います。