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70年代ludwig(ラディック)ブラックビューティーはブラスシェルとは限らない!

ブラックビューティー

さて、今回はludwig(ラディック)のブラックビューティー(Black beauty)について語ります。

ブラックビューティーといえば70年後期に発売され(正確には復刻)、70年代のものは現存数が少ないこともありドラマーなら誰もが憧れるスネアの1つでしょう。

この時代のブラックビューティーは100%ブラスと思っているドラマーさんは多いようです。

目次

70年代のブラックビューティーは本当にブラスシェル?

70年後期、発売初期はブラスシェルでまず間違いないのですが、これがシリアルNOが200万に近づくにつれて(80年に近付くにつれて)実はブロンズシェルが混じってきている、と言われています。

私の感覚ではスーパーセンシティブに多いような気がします。

以前、当ショップで販売していた70年代ブラックビューティースーパーセンシティブもブロンズシェルだったと思われます。

なぜ、ブロンズシェルが混じる?

ブロンズシェルが混じっている理由ですが、一説では単純なコスト削減のためという説があります。

元々70年代のブラックビューティーは一部のドラマーには人気があったものの価格が高額なこともあり70年代発売当時は一般的にはあまり人気がありませんでした。

そのせいもあって当時の生産数が少なかったにも関わらず、後年に評価が非常に高くなって価格が高騰しているという背景があります。

当時は人気がなかったため採算が取れなくなったからなのかは分からないのですが、製造コスト縮小のためブロンズのシェルも使われたのではないかと言われております。

特にスーパーセンシティブは全面辺りのストレイナーで作りが複雑です。
そのためコストが高くなりやむおえずスーパーセンシティブにはブロンズシェルが多いのかもしれませんね。

80年代には公式にLUDWIGからブロンズシェルのスネアが発売されております。
このスネアのプロトタイプとして一部のブラックビューティーにブロンズシェルが混じっているのではないか?ということのようです。

カタログ上では79年、80年頃のブラックビューティーでもブラスシェルとしっかりと記載されており、ブロンズシェルのブラックビューティーがしっかりとブロンズシェルとして買い手に認識された上で売られていたのかは分かりません。

ただ、ビンテージのブラックビューティーにはブラスシェルとブロンズシェルがあるというのはアメリカでは共通認識となっています。

ブロンズシェルだと駄目なのか?

79年以降も、もちろんブラスシェルのブラックビューティーは多数存在するし、仮にシェルがブロンズだとしてもブラックビューティーであるという事実は変わらないので価値が落ちるとは思わないです。

ただ、ブラスシェルの音が好きだから評価の高いビンテージブラスシェルであるブラックビューティーが欲しいと考えている場合にはシェルの素材がブラスかブロンズかという点は重要になってくるはず。

なので、70年代のブラックビューティーは確実にブラスシェル、とは限らないということは知っておいた方が良いと思います。

ブラックビューティーのシェルがブラスかブロンズかの見分け方

では、どうやってブラスかブロンズかを見分けるのか??

ステッカーの有無

シェル内側にオリジナルのステッカーがあればまず間違いなくブラスです。

オリジナルステッカー

このステッカーは70年代に発売した初期のブラックビューティーにしか貼られていません。

これがあれば間違いなく、ブラスシェルであると判断して良いでしょう。

簡単にコピー出来ちゃいそうですが、ステッカーも経年による劣化具合でだいたい本物かどうかは分かります。
(分かる人が見ればすぐに見抜かれるからか、ステッカーのコピーや模造という事例はあまり聞いたことがないですね。)

シリアルNOで判断する

70年代後期でも比較的、シリアルNOの若いスネアはブラスシェルである可能性が高くなります。

目安はシリアルが150万~170万台はブラスの可能性がかなり高いと思われます。

これが200万台に近づくにつれて、ブロンズシェルである可能性が高まってきます。

確実性を求めるならば150万~170万台くらいのシリアルNOのブラックビューティーを買い求めた方が良いかもしれません。

塗装で判断する

状態も良いし、この70年代のブラックビューティーを買いたい。でも、シールも無いし、シリアルNOが200万代前後である。もしもブロンズだったら嫌だなぁ。

こういう場合には、自分の目と耳で判断するしかありません。

まず、70年後期、発売初期のブラックビューティーのブラスシェルはブラックの塗装が薄めなので分かりやすいです。

これは以前usadrumshopで取り扱っていたブラックビューティーのシェルです。

ブラックビューティーのシェル

背景が写り込んでしまっているので分かりにくいですが、ブラックビューティー発売初期のシェルは塗装が薄めなのが分かります。(分かるのかな?微妙ですかね。)

問題は80年代前後のブラックビューティーだ。
ブロンズシェルの場合には黒の塗装が濃い目だと言われている。

下記はうちで以前取り扱ったブラックビューティーのスーパーセンシティブだ。

ブラックビューティーブロンズスネアの下部は塗装が剥げてきているので薄く見えますが、バッジの近くは塗装がかなり濃くないでしょうか。

このブラックビューティーは私がブロンズシェルだと判断したものです。

シェルの硬度で判断する

最後はかなり難しいですが、シェルの硬度を参考にして判断する、というもの。

ブラスは金属としては非常に柔らかいものなので、軽く押した際の感覚がブロンズとはかなり違うように思います。

特にシェル内側を押すと分かりやすいです。具体的にどう違うのかと言うと、指で押した際に少しめり込むような感覚があるのです

ブロンズシェルは固めなので、このような感覚はないように思います。

ちなみにあまり強く押しすぎるのは厳禁です。ビンテージのブラスシェルは本当に柔らかいので指で強く押したら凹んでしまう可能性があります。

あるリペアショップでは「ludwigの60年代スーパーラディックはブラスの中でもシェルが柔らかくて、修理依頼がダントツに多くて参るよ。」とぼやいていました。

ブラックビューティーはスーパーラディック程では無いかもしれないですが扱いには注意しましょう。そこまで強く押さずにかるーく押してチェックするのがオススメ。

店員に聞く

お店で購入する場合には店員さんにシェルの素材を聞いてみましょう。

70年代のブラックビューティーは高額取引されているので、ショップもかなり厳しく査定しているはずです。

なので、シェルの素材をある程度、把握している可能性は考えられるのではないでしょうか。

当ショップでも、概ねですが70年代のブラックビューティーの素材は判別出来ていたので(知り合いのテックとかにも見てもらっていましたが)、恐らくビンテージ専門の店員さんならばある程度分かるはずです。

オークションやネットショップの場合には、現物をチェックすら出来ないので、シェルの素材を判別するのはかなり難しいでしょう。

正直、確実にブラスのブラックビューティーがネットで欲しい場合にはステッカーありのものを狙うか、150万台のシリアルNOに近いものを選ぶしか無いと思います。

70年代ブラックビューティーのまとめ

70年代ludwig(ラディック)ブラックビューティーはブラスシェルとは限らず、ブロンズシェルが混じっている。

ブラックビューティーのシェルがブラスかブロンズかの見分け方

  • ステッカーの有無(ステッカーがあればブラス確実)
  • シリアルNOで判断する(150万~170万台はブラスの可能性高い、200万台に近づくにつれブロンズも混じる)
  • 塗装は薄い方がブラスの可能性高い
  • ブラスはシェルが柔らかいのでそれも判断材料になる
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この記事を書いた人

大学でドラムをやり始めてバンドを多数掛け持ちする。重度の腱鞘炎と腰痛持ちになり、痛みを治すためにK`s Musicでドラムを習う。その後、痛みを克服し、プロのドラマーを目指して20代で単身アメリカロサンゼルスへ留学。様々な音楽活動をしながら、日本にドラムを輸出するショップ【usadrumshop】をオーナーと共に立ち上げる。日本帰国に伴い、usadrumshopは閉店。現在は日本でもっとドラムが普及するための啓蒙活動中!

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